愛犬の肌の乾燥が気になって保湿アイテムを探しはじめると、「人間用じゃだめ?」「舐めても大丈夫?」と迷うことが多いもの。この記事では、ペット用を選びたい理由、人間用のクリームやローションで気をつけたい点、成分表示の見方、軟膏・バーム・スプレーなど形状ごとの向き不向き、上手な使い方のコツ、スキンケアより先に動物病院に相談したいサインまで、やさしく整理してご紹介します。
「最近、うちの子の肌がカサついている気がする」「肉球や鼻先が乾いて見える」——そんなとき、保湿アイテムを探しはじめる飼い主さんは多いと思います。でも、いざ選ぼうとすると、「家にある人間用のクリームじゃだめ?」「塗ったところを舐めちゃったら大丈夫?」と、迷うことがたくさんありますよね。
結論からお伝えすると、選ぶときに押さえたいのは次の3つです。①人間用ではなく、ペットに使うことを前提にしたものを選ぶ。②全成分表示を見て、「舐めてしまうこと」を想定した成分かを確かめる。③使う場所や毛の量に合った形状を選ぶ。
この記事では、ペット用を選びたい理由から、成分表示の見方、形状ごとの違い、使い方のコツまでを順にご紹介します。あわせて、スキンケアより先に動物病院に相談したいサインにも触れますので、アイテム選びの参考にしていただけたらうれしいです。
目次

いちばん大きな理由は、これです。犬や猫は、体に何かがつくと気になって舐めてしまうことがよくあります。塗ったものの一部は、どうしても口に入ると考えておいたほうが安心です。
人間用のスキンケア製品は、当然ながら「口に入ること」を前提につくられていません。だからこそ、ペットに使うものは舐めてしまうことも想定して成分を選んでいるかどうかが、大切な見どころになります。
犬の皮膚は、人の皮膚に比べて薄く、デリケートだといわれています。また、皮膚の表面の性質(酸性・アルカリ性の度合い)も、人とは違うことが知られています。
被毛におおわれていて、体の表面の状態も人とは大きく異なります。人の肌に合わせてつくられた製品が、そのまま犬の肌に合うとはかぎらない——これも、ペット用を選びたい理由のひとつです。

「ちょっとだけなら」と、家にある人間用の製品を使いたくなることもありますよね。ただ、人間用の製品の中には、ペットが舐めたり口にしたりしたときに注意が必要な成分を含むものがあります。
アメリカの動物愛護団体ASPCAは、次のような製品をペットが口にしたときの注意点を紹介しています。
| 製品の例 | 気をつけたい点 |
|---|---|
| おむつかぶれ用のクリーム | 含まれる酸化亜鉛によって、嘔吐や下痢、アレルギー反応が起こることがある |
| ワセリンなどの保護剤 | 軽い嘔吐や下痢。吐いたものが気管に入ると、肺のトラブルにつながることもある |
| ローション・日焼け止め | 嘔吐や下痢のほか、成分によってはアレルギー反応などが起こることがある |
| 手指の消毒用ジェル | 多くはアルコールの濃度が高く、口にすると危険 |
また、ティーツリーオイルなどの精油(エッセンシャルオイル)も注意が必要です。とくに原液は、犬や猫の皮膚に使うと体に大きな負担がかかることがあるとされています。人の世界では「ナチュラル」なイメージのある精油ですが、ペットにとっては別の話、と覚えておいてください。
もちろん、ほんの少し舐めただけで必ず問題が起きるわけではありません。それでも、わざわざリスクのあるものを選ぶ必要はありませんよね。ペットの肌に使うものは、ペット用として成分が選ばれたものを——これを基本にしておくと安心です。
もし人間用の製品をたくさん舐めてしまった、様子がおかしい、という場合は、製品のパッケージを持って、すぐにかかりつけの動物病院に相談してください。

まずは、パッケージや商品ページに配合されている成分がすべて書かれているかを確認しましょう。何が入っているかがわからないと、「舐めても大丈夫か」を判断する手がかりがありません。
成分は、一般的に配合量の多い順に書かれています。最初のほうに書かれている成分が、その製品のベースになっていると考えてよいでしょう。
ペット用の製品の中には、食品にも使われるような植物油やミツロウなど、口に入ることを想定した成分を中心に組み立てているものがあります。商品ページなどで、舐めてしまったときのことについて、メーカーがどのように説明しているかも見てみてください。
一方で、「ペット用」と書かれていても、成分の考え方は製品によってさまざまです。気になる成分があれば、メーカーに問い合わせたり、かかりつけの獣医師に相談したりするのもひとつの方法です。
人にとって心地よい香りも、嗅覚の鋭い犬にとっては強すぎることがあります。香りが気になって、かえって塗った場所を舐めたり、こすりつけたりしてしまう子もいます。
先ほどお伝えしたとおり、精油の中には注意が必要なものもあります。香りづけのための香料や精油は、できるだけ入っていないものを選ぶと安心です。
同じ「保湿」でも、形状によって向いている場所が違います。
| 形状 | 特徴 | 向いている場所 |
|---|---|---|
| 軟膏・バーム | 油分が多く、薄くのばすと肌にとどまりやすい | 肉球、鼻先、ひじ、毛の少ない部分 |
| クリーム | 水分と油分のバランスがよく、のびがよい | 比較的広い範囲、おなかなど |
| スプレー・ミスト | 手を汚さず、毛の上からでも使いやすい | 毛の多い部分、広い範囲、触られるのが苦手な子 |
| ローション | さらっとしていて、なじみやすい | 毛をかき分けて地肌に使いたいとき |

たとえば、毛の多いところに軟膏を塗ると、ベタついて毛にからまりやすくなります。逆に、肉球のように乾きやすく、こすれやすい場所には、油分の多い軟膏やバームが向いています。うちの子の毛の量と、使いたい場所をイメージしながら選んでみてください。
はじめて使う製品は、肌に合うかどうかがわかりません。最初から大容量を買うより、少量のサイズで試してからのほうが安心です。気に入ったら、大容量タイプに切り替えると経済的です。
新しい製品を使うときは、いきなり広い範囲に塗らず、目立たない場所にほんの少しだけつけて、1日ほど様子を見ます。赤くなる、しきりに気にするなどの様子があれば、使うのをやめましょう。
たくさん塗るほどよい、というものではありません。量が多いとベタつきが残り、舐めたくなる原因にもなります。指先にごく少量をとり、薄くのばすようにしてください。

塗った直後は、どうしても気になって舐めてしまいがちです。
こうした工夫で、なじむまでの時間をかせぐことができます。
スキンケアは、うちの子の体にゆっくり触れる時間でもあります。肉球や鼻先、おなかなどを見ながら塗ることで、ちょっとした変化に気づくきっかけにもなります。

保湿のアイテムは、あくまで毎日のお手入れのためのものです。次のような様子が見られるときは、スキンケアで様子を見ようとせず、まずかかりつけの獣医師に相談してください。
皮膚の変化には、さまざまな原因が考えられます。原因によって必要な対応も変わるので、自己判断せずに専門家に見てもらうことが大切です。
(季節ごとの皮膚まわりの考え方は、別記事「夏の犬の皮膚トラブル 蒸れ・かゆみを防ぐ習慣」「犬の換毛期の皮膚ケア ブラッシングと蒸れ予防」でもご紹介しています)
最後に、私たちM&N’sのスキンケアについて、少しだけご紹介させてください。
M&N’sでは、犬や猫が舐めてしまうことも考えて成分を選んだスキンケアをご用意しています。
どちらも、配合されている成分は商品ページで公開しています。この記事でご紹介した「全成分表示」「舐めてしまうことへの配慮」「形状」の3つの視点で、ぜひ比べてみてください。
※スキンケア製品は、病気の治療を目的としたものではありません。皮膚に気になる症状があるときは、まずかかりつけの獣医師にご相談ください。

ここまで、ペット用を選びたい理由、人間用の製品で気をつけたい点、選ぶときの5つのポイント、上手な使い方のコツ、そして動物病院に相談したいサインをご紹介してきました。
あらためて整理すると、大切なのは、ペットに使うことを前提にしたものを選ぶこと、全成分表示で「舐めても大丈夫か」を確かめること、そして使う場所に合った形状を選ぶことの3つです。
毎日のスキンケアは、うちの子の体にそっと触れて、小さな変化に気づける時間でもあります。うちの子の肌に合うものを、ゆっくり選んであげてくださいね。
私たちM&N’s(エムアンドエヌズ)は、「キミを想う、キミに寄り添う」ナチュラルウェルネスプロダクトブランドとして、皆様の健やかな暮らしを応援しています。