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犬が足を引きずるときに考えられることと受診の目安

2026年10月12日

散歩の途中や、寝起きに愛犬が片足をかばって歩いている——そんなとき、すぐ病院に行くべきか、少し様子を見てよいのか迷いますよね。この記事では、足を引きずるときに考えられる原因の広がり、急に始まった場合とゆっくり始まった場合の違い、すぐに受診したいサイン、病院へ行くまでに家でできること・してはいけないこと、受診のときに役立つ動画の撮り方まで、やさしく整理してご紹介します。

「散歩から帰ってきたら、後ろ足を少し浮かせて歩いている」「寝起きだけ、片方の前足をかばうようにしている」——愛犬のそんな姿に気づくと、「どこか痛いのかな」「すぐ病院に行ったほうがいいのかな」と、心配になりますよね。

犬が足を引きずったり、かばったりして歩くことを、獣医療では「跛行(はこう)」と呼びます。原因は、足の裏の小さなけがから、関節や骨、神経の病気まで、とても幅が広いのが特徴です。

結論からお伝えすると、迷ったときに大切なのは次の3つです。①すぐ受診したいサインがないかを確かめる。②家では安静にして、自己判断で薬を与えない。③歩き方を動画に撮って、早めに獣医師に相談する。

この記事では、考えられる原因の広がり、受診の目安、病院へ行くまでの過ごし方を順に整理していきます。原因を家で特定することはできませんが、「どう動けばいいか」の見通しを持つ手助けになればうれしいです。

足を引きずるとき、どんな原因が考えられるの?

公園の芝生の上に落ち着いて立つパピヨン

原因は「足先」から「背骨」まで幅広い

足を引きずる理由は、目に見える足先のトラブルだけではありません。大まかには、次のような場所に原因があることが知られています。

原因がある場所例
足先・肉球・爪切り傷、トゲや草の実などの異物、爪の割れ・伸びすぎ、指の間の炎症
筋肉・靱帯(じんたい)ねんざ、肉離れ、靱帯のけが
関節膝のお皿(膝蓋骨)が外れやすい状態、関節の炎症、股関節やひじの形の異常
骨骨折、成長期に起こる骨の病気、骨の腫瘍
神経・背骨椎間板(ついかんばん)の病気など、神経の通り道のトラブル

同じ「足を引きずる」でも、原因によって必要な対応はまったく違います。だからこそ、家で原因を決めつけず、獣医師に診てもらうことがいちばんの近道になります。

年齢や体格によって、起こりやすいものが違う

  • 子犬・若い犬:活発に遊ぶぶん、けがやねんざが多くなりがちです。成長期に特有の骨や関節のトラブルが見つかることもあります
  • 小型犬:膝のお皿が外れやすい体質の子が多いことが知られています
  • 大型犬:股関節やひじの関節の形に関わるトラブルが、比較的起こりやすいとされています
  • シニア犬:関節の変化による痛みや、靱帯のけがが増えてくる傾向があります

「うちの子は小型犬だから」「もう年だから」と当てはめたくなりますが、これはあくまで傾向です。どの年齢・体格の子にも、どんな原因も起こりえます。

(シニア期の関節まわりのケアについては、既存記事「愛犬・愛猫の関節痛対策」もあわせてご覧ください)

「急に」と「少しずつ」で、考え方が変わる

朝の光の中、ベッドからゆっくり起き上がるシニアのラブラドール・レトリーバー

獣医師が最初に聞くことのひとつが、足を引きずりはじめたのが「急に」か「少しずつ」かです。原因をしぼりこむ大事な手がかりになるので、思い出せる範囲で整理しておきましょう。

急に引きずりはじめた場合

散歩中や遊んでいる最中、ジャンプや段差の上り下りのあとなど、きっかけがはっきりしていることが多いパターンです。足先のけがや異物、ねんざ、靱帯のけが、骨折などが考えられます。

シニアの犬では、ふだんどおり過ごしていたのに、ある日突然、片方の後ろ足をまったく地面につけなくなる——ということもあります。

少しずつ目立ってきた場合

「寝起きだけ歩き方がぎこちない」「散歩の後半になると足を気にする」「なんとなく前から少しかばっていた」というように、ゆっくり目立ってきたパターンです。関節の変化など、長く続いている体の変化が関わっていることがあります。

ゆっくり進むぶん、「年のせいかな」と見過ごされやすいのですが、早めに見つかったほうが選べる対応が多い病気もあるとされています。少しずつの変化こそ、遠慮なく相談してください。

すぐに動物病院へ行きたいサイン

玄関で、犬の体全体を支えるようにして抱っこする飼い主

次のような様子があるときは、様子を見ずに、できるだけ早く動物病院に連絡してください。夜間や休日なら、夜間救急に対応している病院を探しましょう。

  • 足をまったく地面につけない状態が続いている
  • 足がぶらんと垂れ下がっている、明らかに曲がった向きになっている
  • 足が大きく腫れている、さわると熱い
  • 出血が止まらない、深い傷がある
  • 触ろうとすると強く痛がる・鳴く・怒る
  • 足先を引きずる、ふらつくなど、うまく体を支えられない
  • 交通事故や高い所からの落下など、強い衝撃があった
  • ぐったりしている、食欲や元気もない

とくに、後ろ足に力が入らない、ふらつく、足の甲を地面にすって歩くといった様子は、背骨や神経のトラブルのこともあります。急いで受診してください。

様子を見てもいいのは、どんなとき?

「軽くかばっている程度で、ほかは元気」という場合は、まずは安静にして様子を見ることもあります。ただし、その場合も目安を決めておくことが大切です。

  • 安静にしても、1〜2日たってもよくならない
  • いったんよくなったのに、また引きずりはじめた
  • 引きずる足が、日によって変わる
  • だんだん悪くなっている

こうした場合は、軽く見えても受診してください。また、迷ったときは電話で動物病院に相談するだけでも、受診すべきかの判断がつきやすくなります。

病院へ行くまでに、家でできること

安静にする

散歩や遊び、ジャンプ、階段の上り下りはお休みにします。ソファやベッドへの飛び乗りを防ぐため、必要ならサークルやケージで過ごしてもらいましょう。抱っこで移動するときは、痛い足に触れないように、体全体を支えてあげてください。

足先をやさしく確かめる

くつろぐフレンチ・ブルドッグの指の間を、やさしく広げて確かめる手元

明るい場所で、肉球や指の間、爪をそっと見てみます。

  • 小さなトゲや草の実、ガラス片などが刺さっていないか
  • 爪が割れたり、伸びすぎて肉球に食いこんだりしていないか
  • 腫れや熱、傷がないか

ただし、痛がる足を無理に曲げたり伸ばしたりするのは避けてください。けがを悪化させたり、驚いた犬にかまれてしまったりすることがあります。深く刺さった異物も、無理に抜かずにそのまま受診しましょう。

人間用の痛み止めは、絶対に与えない

人に使う痛み止めの中には、犬にとって有害な成分を含むものがあります。少量でも体に大きな負担がかかることがあるので、家にある薬を自己判断で与えることは、絶対に避けてください。以前に動物病院でもらった薬が残っている場合も、使う前に必ず獣医師に確認しましょう。

受診のときに役立つ「動画」と「メモ」

廊下を歩いてくるトイ・プードルを、スマートフォンで撮影する飼い主

犬は、病院に着くと緊張や興奮で痛みを隠し、ふだんどおりに歩いてしまうことがよくあります。だからこそ、家での歩き方を動画に撮っておくことが、診察の大きな手がかりになります。

動画の撮り方のコツ

  • 平らな場所で、犬に普通に歩いてもらう(廊下や家の前など)
  • 横から、前から、後ろからの3方向で撮る
  • 歩く姿だけでなく、ゆっくり走る姿、寝た状態から立ち上がる瞬間も撮れるとより役立つ
  • 1回5〜10秒ほどでOK。無理に何度も歩かせない

メモしておきたいこと

  • いつから、どの足を引きずっているか
  • 急に始まったか、少しずつか
  • きっかけに心当たりはあるか(ジャンプ、段差、散歩中など)
  • 時間帯や状況による違い(寝起き・散歩の後半など)
  • よくなっているか、悪くなっているか
  • 与えた薬やサプリメントがあるか

病院では、歩き方の観察や、足・関節を手でさわっての確認、必要に応じてレントゲンなどの検査が行われます。事前の情報が多いほど、診察がスムーズに進みます。

日ごろからできる、足元へのやさしい配慮

ソファに置いたペットステップを上るシー・ズー

足を引きずる原因はさまざまで、すべてを防ぐことはできません。それでも、ふだんの暮らしの中で、足元への負担を減らす工夫はあります。

  • 体重を適正に保つ:体重が増えると、足や関節にかかる負担も増えます。理想の体重は、かかりつけの獣医師に相談してみてください
  • 床の滑りを減らす:フローリングにマットを敷く、足裏の毛を短く整える
  • 爪を適切な長さに保つ:伸びすぎた爪は、足の着き方を変えてしまいます
  • 急なジャンプを減らす:ソファや車の乗り降りにステップやスロープを使う
  • 歩き方を見る習慣:散歩のときに、ときどき後ろから歩き方を眺めてみる

(床や段差の工夫は、別記事「シニア犬の住環境づくり 滑らない床と段差の工夫」で、肉球のお手入れは「犬の肉球ケア」でくわしくご紹介しています)

小さな変化に気づけるのは、いちばん近くにいる飼い主さん

夕方の川沿いを、ゴールデン・レトリーバーとゆっくり歩く飼い主

ここまで、犬が足を引きずるときに考えられる原因の広がり、「急に」と「少しずつ」の違い、すぐに受診したいサイン、家でできること、受診に役立つ動画とメモについてご紹介してきました。

あらためて整理すると、大切なのは、すぐ受診したいサインを見逃さないこと、家では安静にして自己判断で薬を与えないこと、そして歩き方を記録して早めに獣医師に相談することの3つです。

犬は痛みを隠すのが上手な動物だといわれます。だからこそ、「いつもと少し違う」に気づけるのは、毎日そばにいる飼い主さんならでは。迷ったときは、ひとりで抱えこまず、専門家の力を借りてくださいね。

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投稿者

  • M&N'sCBDのスタッフである商品開発米山と、マーケティング担当鈴木でコラムを更新しています。商品のこと、CBDのこと、よくあるお客様の声などについて詳しくご紹介します。