アメリカ政府も認めている大麻の癌治療効果
大麻成分の癌への治療効果については各国で研究が行われており、癌治療への有効性が主張されてきました。
なかでも、米国政府の研究者は大麻の有効成分「カンナビノイド」が、癌細胞の死滅や腫瘍の成長の抑制に効果的であるとし、THC(テトラヒドロカンナビノール)、CBD(カンナビジオール)の2つの成分が最も多く研究されてきました。
米国政府のAmerican cancer society(https://www.cancer.org/)のウェブサイトでは、
・カンナビノイドが細胞死を引き起こし、細胞増殖を阻止、また腫瘍の増殖に必要な血管の 発達を遮断することにより腫瘍増殖を阻害する可能性がある
・カンナビノイドは正常細胞を保護しながら癌細胞を殺す可能性がある
・カンナビノイドが結腸の炎症から保護し、結腸癌のリスクを減らす可能性がある
・肝臓がんにおける研究でTHCが癌細胞を損傷、もしくは死滅させ、抗腫瘍効果をもつことが示された
・化学両方とCBDの組み合わせによりすい臓がんの生存率が大幅に向上した
など、カンナビノイドの癌治療に対する研究結果が報告されています。
研究では大麻成分の様々な癌への効果が報告されている
こうした研究以外にも、カンナビノイドが癌治療に有効であるという結果や、癌患者の治療中の症状の緩和み効果的であったという報告が多く示されつつあります。
子宮頸がん治療への可能性
2016年に南アフリカのノースウェルト大学で行われた研究では、CBDとその他の大麻抽出物の両方が細胞の成長を妨げるが、CBDのみが子宮頸がんにおける細胞死を誘発させたと報告されています。
乳がん治療への可能性
2019年のU.S. National Library of Medicine の発表では、THC、CBDやその他のカンナビノイドが細胞周期の進行や細胞の成長をブロックし、アクティブな発癌性シグナル伝達経路を阻害することにより、乳がんモデルにおける血管新生や腫瘍転移を減らす可能性があると報告されました。
前立腺がん治療への可能性
2005年に行われた研究では、カンナビノイドが癌性前立腺細胞の成長と進行を遅らせ、前立腺癌細胞の発達を促進する”アンドロゲン受容体”を減少させたことが報告されています。
吐き気の緩和
American Cancer Societyは、治療中に多く見られる抗がん剤の副作用である、吐き気や嘔吐などが大麻の吸引によって緩和されたという研究結果を示しています。
日本における大麻事情
一般的に、大麻の利用法は
・娯楽用
・医療用
・産業用
の3種類に分類されていますが、日本では「大麻取締法」で厳しく取り締まられており、嗜好用、医療用の利用は違法となります。
とはいえ、近年海外では大麻を合法化する動きも出てきており、医療用や娯楽用の大麻が合法化された国もあります。
現段階では不可能ですが、医療大麻が合法化されれば日本でも癌治療における大麻の研究が進められていくかもしれません。