梅雨から夏にかけての湿気の多い時期は、犬の指の間・耳の中・顔や体のしわなど「空気の通りにくい部分」が蒸れやすくなります。この記事では、なぜこうした部位に湿気がこもりやすいのか、皮膚の常在菌との関係、そして指の間・耳・しわの部位別に飼い主さんが自宅でできる拭き方・乾かし方・毎日のチェックのコツをやさしく解説します。指の間をしきりに舐めるなど、動物病院に相談したい様子の目安もまとめました。
「散歩から帰ると、しきりに指の間を舐めている」「耳の中がなんだかしっとりして、においも気になる」——梅雨から夏にかけて、こんな様子に気づく飼い主さんは少なくありません。愛犬が同じ場所を気にし続けている姿を見ると、心配になりますよね。
結論からお伝えすると、湿気の多いこの時期にとくに気をつけてあげたいのは、指の間・耳の中・顔や体のシワといった「空気の通りにくい部分」です。こうした部位は湿気がこもりやすく、蒸れやすい場所だからです。この記事では、なぜこれらの部位が蒸れやすいのかという背景を整理したうえで、部位別にご家庭でできる拭き方・乾かし方・チェックのコツをご紹介します。あわせて、動物病院に相談したい様子の目安にも触れますので、うちの子の梅雨・夏の過ごし方を見直すヒントにしていただけたら幸いです。

なお、夏の皮膚まわり全体の考え方や散歩後・室内環境の整え方については、別の記事「夏の犬の皮膚トラブル 蒸れ・かゆみを防ぐ習慣」でまとめています。本記事は、そのなかでも「蒸れやすい部位」に絞ってくわしくお話ししていきます。
目次
指の間・耳の中・しわの奥には、ひとつの共通点があります。それは、皮膚と皮膚が近く、空気が通りにくいということです。
犬は人のように全身で汗をかいて熱を逃がすしくみを持たず、被毛におおわれています。そのため、もともと湿気のこもりやすい体のつくりをしています。とくに梅雨から夏の高温多湿の時期は、散歩後の湿り気やシャンプー後の水分が、こうした奥まった部分に残りやすくなります。乾きにくく、湿った状態が続きやすいことが、蒸れの起こりやすさにつながります。
犬の皮膚には、もともとさまざまな常在菌(じょうざいきん・ふだんから皮膚にいる菌のこと)が存在しています。たとえば「マラセチア」という名前を聞いたことがあるかもしれませんが、これは健康な犬の皮膚にもふつうに存在している菌の一種です。
少し難しい話になりますが、簡単にいうと、高温多湿で皮膚がしっとりした状態が続くと、こうした常在菌が増えやすい環境になり、皮膚のトラブルにつながりやすくなるといわれています。だからこそ、「湿らせたままにしない」「こまめに乾かす」ことが、日々のお手入れの基本になるのですね。
過度に不安になる必要はありません。大切なのは、「この時期は蒸れやすいから、清潔と乾燥を意識してあげよう」という前向きな心構えです。
散歩後に指の間をしきりに舐める、噛む、赤みやべたつきがある、といった様子は、飼い主さんが気づきやすいサインのひとつです。指の間は地面に近く汚れや湿気がつきやすいうえ、被毛で隠れて乾きにくいため、蒸れやすい代表的な部位です。

耳の中も、空気が通りにくく蒸れやすい部位です。とくに垂れ耳の犬種は、耳のふたが閉じたような状態になりやすく、内側に湿気がこもりやすい傾向があるといわれています。

顔にしわの多い犬種や、体の大きな子の脇・内股・お腹まわりなど、皮膚どうしが触れ合う部分も湿気がたまりやすい場所です。しわの奥は光が届きにくく、飼い主さんも見落としやすいので、意識してのぞいてあげたいポイントです。

いずれの部位も、毎日のスキンシップのついでに「見て・触れて・乾かす」を習慣にできると、変化に早く気づけて、うちの子も飼い主さんも安心です。
日々ていねいにお手入れをしていても、次のような様子が見られるときは、ご家庭のケアだけで対応しようとせず、早めにかかりつけの獣医師に相談することをおすすめします。

これらはあくまで一般的な目安です。「これくらいで受診してもいいのかな」と迷うこと自体が、うちの子をよく見ている証拠でもあります。心配なときは、遠慮なく専門家に頼ってあげてください。
ここまで、湿気の多い時期に蒸れやすい「指の間・耳・しわ」という部位に注目して、部位別のお手入れのコツをご紹介してきました。共通するのは、「汚れをやさしく取り、しっかり乾かし、湿ったままにしない」というシンプルな心がけです。毎日のスキンシップのなかで、そっと見て触れてあげることが、いちばんの早めのケアにつながります。

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じめじめとした季節は、うちの子にとっても飼い主さんにとっても、少し気づかいの増える時期です。焦らず、小さな習慣を重ねながら、気になることがあれば専門家の力も借りて、この梅雨・夏を心地よく過ごしていけますように。