高齢猫の夜鳴きがひどくて眠れない…そんな悩みを抱える飼い主さんに向けて、認知機能の低下や病気、不安感など夜鳴きの原因を獣医師の視点で詳しく解説。すぐに実践できる生活環境の見直しやストレス軽減の工夫、さらに注目のCBDオイルによる自然なケア方法まで、幅広く紹介しています。夜鳴きの理由を正しく理解し、愛猫と家族みんなが安心して穏やかに過ごせる毎日を目指しましょう。
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「夜中になると鳴き続けて寝てくれない」「夜鳴きの声が大きくて家族全員が寝不足に…」「昼は静かなのに夜になると性格が変わったように鳴き出す」
そんな高齢猫の夜鳴きに悩んでいる飼い主さんは少なくありません。特に15歳を超える高齢期の猫では、夜間に落ち着きがなくなったり、突然大声で鳴き出したりする行動が目立つようになります。
この記事では、夜鳴きの主な原因と、その改善策をわかりやすく解説していきます。「もしかして病気なの?」「このまま様子を見ていて大丈夫?」といった不安にお答えしながら、愛猫との穏やかな暮らしを取り戻すヒントをお届けします。
高齢猫の夜鳴きには、以下のようなさまざまな要因が複雑に絡み合っていることが多くあります。

15歳を超えるあたりから、猫にも認知機能不全症候群(CDS:Cognitive Dysfunction Syndrome)が見られるようになります。これはいわば猫の“認知症”で、以下のような症状が夜鳴きとセットで現れることが多いです。
特に夜間、不安や混乱から「誰か来て!」「ここはどこ?」と鳴いてしまうケースが多く、これは認知機能の衰えに起因する可能性があります。
加齢に伴い、視覚・聴覚の衰えが進行することも夜鳴きの一因です。周囲の音や明かりが分かりづらくなり、不安感や孤独感が強まってしまいます。その結果、「誰かいる?」「不安だから声を出して確認しよう」と鳴いてしまうのです。
特に夜は暗く静かになるため、こうした感覚の低下が一層目立つ時間帯になります。
関節痛(変形性関節症)や歯の痛み、内臓疾患などの慢性的な身体の不調がある場合、夜間に痛みを感じて眠れず、鳴くことで不快感を訴えることがあります。
特に高齢猫に多い病気としては:
などがあり、これらは夜間の不安定な行動や夜鳴きと関係している場合があります。
飼い主の帰宅時間の変化や、部屋の模様替え、新しいペットが増えるなど、環境の変化によるストレスも猫にとっては大きな影響を与えます。特に高齢になると柔軟性が落ち、変化に対して敏感になる傾向があります。
夜鳴きの原因が分かったところで、次は具体的な対処法や改善策についてご紹介します。すぐに実践できるものから、獣医師と相談して検討すべきものまで、いくつかのアプローチがあります。

まず最優先すべきは、病気や痛みの有無を確認することです。夜鳴きが突然始まった場合や、他の症状(食欲不振、体重減少、嘔吐など)を伴う場合は、速やかに動物病院を受診しましょう。
血液検査や画像診断により、腎臓病・甲状腺疾患・高血圧・関節炎などの慢性疾患が見つかることがあります。
認知機能の衰えが原因と考えられる場合には、日常生活でできるサポートを取り入れてみましょう。
夜になると不安になりやすいため、猫が落ち着ける環境を整えることが重要です。
最近では、高齢ペットのストレスケアとして「CBD(カンナビジオール)」が注目されています。
CBDは麻(ヘンプ)に含まれる天然成分で、不安や過剰な興奮をやわらげ、心身のバランスを整えるサポートが期待されています。人間だけでなく、犬や猫にも使用できる安全性の高いサプリとして、獣医師の間でも注目されています。

CBDオイルは食事に混ぜるだけ・舌に垂らすだけで手軽に使えるため、毎日のケアとして取り入れやすいのも魅力です。
※CBD製品を導入する際は、必ず動物用に設計された安全性の高いものを選び、初回は少量からスタートしてください。
実際に、CBDを取り入れたことで「夜鳴きが明らかに減った」「ぐっすり眠れるようになった」と感じる飼い主さんの声も増えています。

16歳のメス猫が、夜中ずっと鳴き続けていたのが、CBDオイルを使い始めてから落ち着いてきました。最初は半信半疑でしたが、今では毎晩ぐっすり寝てくれています。(神奈川県・Sさん)
認知症の診断を受けた老猫にCBDを与えたところ、夜の不安そうな鳴き声が明らかに少なくなり、私も愛猫もストレスが軽減しました。(大阪府・Mさん)
こうした事例は、すべての猫に当てはまるわけではありませんが、「まずは試してみたい」と思える一つの選択肢になってきています。
高齢猫の夜鳴きは、体や心の不安・混乱から来るSOSであることが多く、飼い主にとっても辛い問題です。
しかし、原因を知り、的確なケアや対策を行うことで、猫も飼い主も穏やかな夜を取り戻すことができます。

愛猫の夜鳴きに悩む日々が、少しでも穏やかになりますように。少しの工夫とやさしいケアで、愛猫にも、そして家族にも、心安らぐ毎日がきっと戻ってきます。