更年期のPMS様症状とは?40代からの違和感との向き合い方

2026.10.12

「生理前のイライラや不調が、40代になって前より強くなった気がする…」そんな変化には、PMS(月経前症候群)に加えて、更年期に向かうホルモンのゆらぎが関係していることがあります。PMSと更年期症状の違いや見分けるヒント、からだ日記のつけ方など毎日の暮らしで取り入れやすいセルフケア、婦人科に相談したい目安まで、40代からの「なんとなく違う」にやさしく寄り添いながらわかりやすく解説します。

「最近、生理前になると前よりイライラしやすい」「なんだか疲れが抜けない日が増えた気がする」——40代に入って、そんな変化を感じていませんか?

若いころは“いつものPMS”とやり過ごせていた不調も、年齢を重ねるにつれて感じ方が変わってくることがあります。結論からお伝えすると、40代の生理前の不調には、PMSに「更年期に向かうホルモンのゆらぎ」が重なっていることがあります。大切なのは、症状が出るタイミングを知り、自分のからだのリズムをつかむことです。

このコラムでは、40代から感じやすい「PMSのような不調」の正体と、毎日の中でできるやさしいセルフケアをご紹介します。

そもそもPMS(月経前症候群)とは?

PMSは「月経前症候群」の略で、生理が始まる前に心やからだに不調があらわれる状態のことです。日本産科婦人科学会では、月経開始の3〜10日ほど前から始まる精神的・身体的な症状で、月経が始まるとともに軽くなったり消えたりするもの、と定義されています。

主な症状には、次のようなものがあります。

  • こころ:イライラ、気分の落ち込み、不安感、集中しにくい
  • からだ:むくみ、胸の張り、頭痛、腰痛、肌あれ、眠気、食欲の変化

ポイントは「生理が始まると楽になる」こと。この“リズム”が、あとでご紹介する見分け方のヒントになります。

40代の「PMSのような不調」は何が違うの?

ホルモンのゆらぎが大きくなる時期

女性のからだのリズムをつくっているのが、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という2つの女性ホルモンです。少し難しい名前ですが、簡単にいうと「女性らしいからだと、毎月のリズムを支えるホルモン」です。

日本人女性の閉経年齢は平均50歳前後とされ、その前後5年ずつ、あわせて約10年間を「更年期」と呼びます。40代は、この更年期の入り口にあたる時期。卵巣のはたらきがゆるやかに変化し、ホルモンの分泌が上がったり下がったりと不安定になりやすくなります。

そのため、生理周期が短くなったり乱れたりして、「生理前の不調が長く続く」「いつがPMSなのかわかりにくい」と感じる方も少なくありません。医学的な正式名称ではありませんが、このコラムでは、こうした40代以降の“PMSに似た不調”を「PMS様(よう)症状」と呼んでいます。

PMSと更年期症状、見分けるヒントは「タイミング」

PMSと更年期の症状は、イライラや疲れやすさ、眠りの浅さなど重なる部分が多く、自分だけで区別するのは難しいものです。見分けるヒントになるのは、症状があらわれるタイミングです。

PMS更年期症状
出やすい時期生理前の3〜10日ほど生理周期と関係なくあらわれることも
生理が始まると軽くなる・消える変わらず続くことが多い
特徴的なサインむくみ・胸の張りなどほてり・のぼせ・発汗など

ただし、40代はこの2つが重なり合いやすい時期でもあります。「どちらか」と決めつけず、まずは自分のからだのリズムを知ることから始めてみましょう。

生理前の不調、どれくらいの人が感じている?

「こんなにつらいのは私だけ?」と思ってしまいがちですが、実は多くの女性が経験しています。生殖年齢の女性の約7〜8割が、月経前に何らかの症状を感じているといわれています。

また、20〜40代の女性1,200人を対象にした調査(ゼリア新薬・2015年)では、月経前に「イライラ」を感じる人が51.3%にのぼりました。その一方で、自分の症状をPMSだと認識している人は約半数にとどまり、4割の人は特に対策をしていなかったという結果も出ています。

つまり、「つらいけれど、なんとなく我慢している」方がとても多いということ。自分の不調を知ることは、自分をいたわる第一歩です。

今日からできる、ゆらぎ期のセルフケアは?

まずは「からだ日記」をつけてみる

生理の開始日、気分や体調の変化、睡眠時間などを、カレンダーやアプリに一言メモするだけで十分です。2〜3か月続けると、「生理の何日前から不調が出やすいか」「周期と関係なく続く症状があるか」が見えてきます。この記録は、婦人科に相談するときにも役立ちます。

食事・睡眠・温めで、からだの土台を整える

食事:主食・主菜・副菜をそろえたバランスのよい食事を意識し、むくみやすい時期は塩分を控えめに

  • 飲み物:生理前は、カフェインやアルコールを少し控えめに
  • 睡眠:寝る前のスマートフォンを早めに切り上げ、眠りに入りやすい環境を
  • 温め:ぬるめのお湯にゆっくりつかったり、腹巻きなどでおなかまわりを冷やさないように
  • 運動:ウォーキングやストレッチなど、気持ちよく続けられる軽い運動を

デリケートゾーンのゆらぎにも目を向けて

ホルモンバランスがゆらぐ時期は、肌が敏感になったり、乾燥しやすくなったりすることがあります。これはデリケートゾーンも同じです。生理前にムズムズしたり、なんとなく違和感を覚えたりするときは、ゴシゴシ洗いを避けて低刺激のソープでやさしく洗い、洗ったあとは保湿でうるおいを整えるのがおすすめです。下着は通気性のよい綿素材を選ぶと、蒸れにくく快適に過ごせます。

「がんばりすぎない予定」を組んでおく

からだ日記で不調が出やすい時期がわかったら、その期間は大切な予定を詰め込みすぎないのも一つの工夫です。「この時期は少しペースを落とす」と決めておくだけで、気持ちがぐっと楽になりますよ。

こんなときは婦人科に相談を

セルフケアを続けても、次のような場合は無理をせず、婦人科で相談してみましょう。

  • 仕事や家事、人間関係に支障が出るほどつらい
  • 気分の落ち込みが強く、何もやる気が起きない日が続く
  • ほてりや発汗、動悸などが生理周期と関係なく続く
  • 生理の周期や出血量が大きく変わった

PMSの中でも、気分の落ち込みやイライラなど心の症状がとくに強くあらわれるものは「PMDD(月経前不快気分障害)」と呼ばれ、専門的なサポートが必要になることもあります。婦人科では、症状や年齢に合わせてさまざまな選択肢を一緒に考えてもらえます。「こんなことで受診していいのかな」と遠慮せず、からだ日記を持って気軽に相談してみてくださいね。

まとめ:ゆらぎの時期は、自分と向き合うきっかけに

40代からの「なんだか前と違う」は、からだが次のステージへ進もうとしている自然な変化のひとつです。PMSなのか、更年期のはじまりなのか——答えをすぐに出せなくても大丈夫です。

まずは自分のリズムを知ること、そして毎日の小さなケアを積み重ねること。それが、これからの10年をすこやかに過ごすための土台になります。

からだも、こころも、ふわりと軽やかに。ゆらぎの時期だからこそ、自分をいちばん大切にする時間を、ぜひ日常のケアに取り入れてみてくださいね。