犬や猫のてんかん発作に悩む飼い主さんへ。原因や症状、発作前の兆候、動物病院での治療法に加え、自然派ケアとして注目されるCBDの可能性までをやさしく解説。副作用への不安や、薬だけに頼りたくない方にもおすすめの内容です。実際にCBDを取り入れた飼い主の声や、自宅でできる発作対策、観察のポイントも紹介。てんかんと上手に付き合いながら、愛犬・愛猫との安心で前向きな暮らしをサポートします。
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愛犬や愛猫が突然、けいれんを起こして倒れてしまう――。
その瞬間を目の当たりにした飼い主さんなら、その恐怖と不安は計り知れません。特に「てんかん」は再発する可能性のある疾患であり、「次はいつ起きるのか」「命に関わらないか」と、常に神経を張りつめて生活している方も多いのではないでしょうか。
しかし、てんかんは正しく理解し、適切に対処することで、ペットと安心して暮らすことが可能な病気です。本コラムでは、犬・猫のてんかんの基礎知識から、発作の兆候、早期発見のポイント、そして近年注目されているCBD(カンナビジオール)による自然派ケアまで、飼い主さんが知っておくべき情報をわかりやすくご紹介します。
「てんかん」とは、脳内の電気信号が異常に発生することで、けいれんや意識障害などの発作が繰り返される病気です。原因は大きく分けて2つに分類されます。
遺伝的な要因や脳の構造に異常が見つからない場合に診断されます。若齢(1〜5歳)の犬や猫に多く、ゴールデン・レトリバーやボーダー・コリーなど、一部の犬種での発症率が高いとされています。
脳腫瘍、外傷、脳炎、中毒などの明確な原因があり、高齢期に発症するケースが多いのが特徴です。
てんかん発作は突然起こるように見えても、実はその前兆となる行動が見られることがあります。以下のようなサインに気づくことが、早期発見につながります。

これらの行動に飼い主が気づいて記録することは、獣医師による診断の精度を高め、治療計画にも役立ちます。
現在、犬や猫のてんかん発作に対しては、主に薬物療法が中心となっています。特に発作が繰り返し起こる場合には、抗てんかん薬を用いて発作の頻度や重症度を抑える治療が一般的です。

抗てんかん薬は、適切に使うことで発作をコントロールできる可能性が高く、命を守るうえで非常に重要な手段です。しかし一方で、以下のような課題も存在します。
このような現実から、「薬だけでなく、もっと自然な形でサポートできる方法はないか」と考える飼い主さんが増えています。そこで近年注目を集めているのが、CBD(カンナビジオール)による補完的なケアです。
最近、犬・猫のてんかん発作に対する補助ケアとして注目を集めているのが「CBD(カンナビジオール)」です。

CBDとは、大麻草に含まれる成分のひとつで、THC(精神活性作用のある成分)とは異なり、合法的かつ安全性が高い成分です。日本では麻薬取締法に触れない製品がペット用として販売されています。
アメリカでは、てんかん治療にCBDを使用した臨床研究が進められており、米FDA(アメリカ食品医薬品局)は2018年、人間用の難治性てんかんに対するCBD薬「エピディオレックス」を承認しています。
犬や猫のてんかんに対する明確な医薬品はまだありませんが、一部の獣医師や飼い主の間で、CBDがてんかん発作の頻度や重症度を軽減する可能性があるとして注目されています。
もちろん、CBDは薬ではなく「健康維持サポート製品」であり、医師の診断や投薬治療と併用して使うことが基本です。ですが、「副作用が少ない」「継続しやすい」「自然由来で安心」という理由から、既存の薬に不安を感じる飼い主さんからの支持が高まっています。
実際に、てんかんを抱える愛犬にCBDを取り入れた飼い主さんの声をご紹介します。

「我が家のミニチュア・シュナウザー(5歳)は、月に2〜3回、発作を起こしていました。獣医さんに相談しつつ、CBDオイルを1日2回、食事に混ぜて与え始めたところ、発作の頻度が減り、軽く済むように感じています。薬との併用ですが、体に優しいケアができて嬉しいです。」
ー 東京都・Y様
このように、「すぐに効果が出るわけではないが、少しずつ変化を実感した」という声が多く寄せられています。
てんかん発作への備えとして、飼い主ができることはたくさんあります。
CBDは体質によって反応に差があるため、1〜2週間様子を見ながら、少しずつ量を調整していくのがポイントです。
また、かかりつけの獣医師に相談しながら進めることで、より安心して取り入れることができます。
てんかんは、発作のたびに飼い主の心を揺さぶる病気です。けれども、正しい知識を持ち、発作の兆候やパターンを理解し、日々のケアや記録を続けていくことで、少しずつ不安は「備え」に変わっていきます。

「うちの子にとって本当に合うケアって何だろう?」
そんな問いを大切にしながら、てんかんとうまく付き合っていけたなら、
きっとその先には、これまで以上に絆の深まった、穏やかで幸せな日々が待っているはずです。
▼てんかんとCBDについて、獣医師の藤原先生の解説動画もよかったら参考にしてみてください