はじめに
「生理前になると、デリケートゾーンのにおいが気になる」「いつもよりムレやすい気がする」——そんな違和感を感じたことはありませんか?実はそれ、PMS(月経前症候群)による膣環境の変化が原因かもしれません。
生理前になると心や体に様々な不調が出ることはよく知られていますが、膣の状態にも変化が起こることは、あまり知られていないかもしれません。
今回は、PMS期に起こる膣環境の変化とその対策について、わかりやすく解説していきます。忙しくても、自分の身体と向き合うきっかけになりますように。
PMS期に感じる「デリケートゾーンの違和感」、その原因とは?
PMSとはどんな状態?
PMS(月経前症候群)とは、生理が始まる3〜10日前に現れる心身の不調のことです。具体的には、イライラ・憂うつ感・眠気・集中力の低下などの精神的な症状に加え、頭痛・むくみ・乳房の張り・下腹部痛など、身体にもさまざまな症状が現れます。
女性の約70~80%が何らかのPMS症状を感じているとされており、その重さや内容には個人差があります。
このPMS期には、女性ホルモンのバランスが大きく変化します。特に注目したいのが、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の影響です。
なぜPMS期に膣環境が変わるのか?
女性ホルモンと膣内フローラの関係
膣の中には、「膣内フローラ」と呼ばれる常在菌のバランスがあります。主に乳酸菌(ラクトバチルス菌)が優勢な状態が理想的で、この菌たちが膣内を弱酸性に保ち、外部からの雑菌の侵入を防いでくれています。
しかし、生理周期の変動によって女性ホルモンのバランスが変わると、このフローラの状態にも変化が起こります。特にPMS期はプロゲステロンの分泌が増加し、次のような変化が起こりやすくなります。
PMS期に見られる膣環境の変化
- おりものの量や性状の変化
→ 白く濁ったり、粘度が上がることがあります。個人差はありますが「いつもと違う」と感じる方も。
- ムレやすさ・においの強まり
→ プロゲステロンの影響で体温が上がり、発汗や蒸れが増えることでデリケートゾーンに不快感を覚えることがあります。おりものの変化と相まってにおいも気になりやすくなります。
- かゆみやヒリヒリ感
→ 膣内フローラのバランスが乱れると、カンジダなどの真菌が増殖しやすくなるため、違和感を感じることがあります。
- 肌の敏感さの上昇
→ PMS期は肌全体が敏感になりやすく、デリケートゾーンも例外ではありません。刺激の強い下着やナプキンでかぶれやすくなることも。
PMS期の膣トラブルを放っておくと…?
一時的な不調として放置してしまいがちですが、膣環境の乱れをそのままにしておくと、慢性的なトラブルにつながる可能性もあります。
たとえば、
といった感染症のリスクが高まるほか、違和感が慢性化することで、QOL(生活の質)の低下にもつながりかねません。
特に更年期に差し掛かる年代では、女性ホルモンの分泌が徐々に低下していくため、膣の自浄作用も弱まり、トラブルが起きやすく治りにくい傾向があります。
PMS期の膣環境トラブル、どう対策すればいい?
ここからは、具体的な対策についてご紹介します。ポイントは、「自分のリズムを理解し、予防的にケアすること」です。
1. デリケートゾーン専用の洗浄剤を使う
通常のボディソープはアルカリ性のものが多く、膣内の弱酸性環境を壊してしまうことがあります。
pHバランスに配慮されたデリケートゾーン専用ソープを使うことで、洗いすぎによる乾燥やバリア機能の低下を防ぎながら、においや不快感を和らげることができます。
2. 通気性の良い下着やナプキンを選ぶ
ムレやすいPMS期は、綿素材の下着や、通気性のあるナプキン・吸水ショーツを活用するのがおすすめです。
また、ナプキンはこまめに取り替えることも大切です。においや雑菌の繁殖を抑えるためにも、長時間の着用は避けましょう。
3. 食生活を見直す
腸内環境と膣内環境は密接に関係しています。特に乳酸菌を含む食品(ヨーグルト、味噌、ぬか漬けなど)を意識的に摂ることで、体全体の菌バランスを整えるサポートになります。
また、甘いものや脂っこい食事が続くと、カンジダ菌の増殖を助けてしまうことがあるため注意が必要です。
4. 睡眠とストレスケア
ストレスや睡眠不足はホルモンバランスを崩す原因に。
忙しい日々の中でも、睡眠時間の確保とリラックスタイムを意識的に取り入れることが、体全体のリズムを整える助けになります。
5. 膣ケアアイテムやフェムテック製品を活用する
最近では、膣内のpHを整えるジェルや、乳酸菌サプリ、フェムケアに特化した保湿アイテムなど、さまざまな選択肢があります。
「自分に合うケア方法が分からない」という方は、まずは信頼できる製品で様子を見ることから始めてみましょう。
年代による変化も意識して
40代以降は、PMSに加えて更年期によるホルモン変化も始まる時期です。
「PMSなのか、更年期の影響なのか分からない」と感じることもあるかもしれません。
どちらもホルモンバランスの乱れが背景にあるため、膣環境ケアはどの年代でも大切だといえるでしょう。
婦人科の受診も「症状がひどくなってから」ではなく、「気になる違和感がある時」に行くことが大切です。年齢を重ねた自分の体を、やさしくいたわる視点を持ってあげてください。
PMS期こそ、デリケートゾーンをいたわる時間に
PMS期に起こる膣環境の変化は、女性ホルモンのゆらぎによる自然な現象です。
だからこそ、「この時期だけちょっと違う…」と感じたときに、自分の体からのサインに気づき、やさしく向き合うことがとても大切です。
デリケートゾーンのケアは、決して特別なことではなく、自分自身を大切にする毎日の一部。
無理なくできることから少しずつ取り入れて、いつまでも健やかで心地よい毎日を過ごしていきましょう。
fuwariは、そんなあなたの毎日に寄り添い、正しい知識と安心をお届けしていきます。