更年期に増える「膣カンジダ」とは?原因と正しい対処法

2025.11.19

更年期に増える「膣カンジダ」は、ホルモンバランスや免疫力の低下により膣内環境が乱れることで起こりやすくなります。本記事では、この症状の原因や特徴、婦人科での治療方法をわかりやすく解説。さらに、再発予防のためのセルフケアや生活習慣の見直し、デリケートゾーン専用のCBDオイルを使った保湿・抗菌ケアの選択肢についてもご紹介。かゆみやおりものの違和感が気になる方、更年期の体調変化に向き合いたい方へ、信頼できるフェムケア情報をお届けします。

はじめに

「なんだかデリケートゾーンがムズムズする」「おりものがいつもと違う気がする」——そんな違和感、もしかすると「膣カンジダ」かもしれません。膣カンジダは若い世代の病気というイメージがあるかもしれませんが、実は更年期の女性にも増えている症状のひとつです。この記事では、なぜ更年期に膣カンジダが起こりやすくなるのか、原因とその正しい対処法、日常生活でできる予防策までを、専門的な知識をやさしくわかりやすくご紹介します。

更年期に膣カンジダが増える理由

ホルモンバランスの変化による影響

更年期とは、閉経を挟んで前後5年ずつ、計10年ほどの時期を指します。この時期、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減少します。このエストロゲンの低下が、実は膣内環境に大きな変化をもたらします。

エストロゲンには、膣の粘膜を潤し、膣内を弱酸性に保つ働きがあります。弱酸性の状態は、外部からの菌の侵入を防ぐ“バリア”の役割を果たしています。しかし、ホルモンバランスの崩れによりこのバリア機能が低下し、膣の自浄作用が弱まることで、カンジダ菌が増殖しやすくなるのです。

カンジダ菌は「常在菌」

膣カンジダを引き起こすのは、「カンジダ・アルビカンス」というカビの一種です。実はこの菌は、私たちの皮膚や腸、膣などに普段から存在している「常在菌」です。つまり、外から感染するのではなく、自分の体の中に元からいる菌が、何らかのきっかけで異常繁殖して発症するのです。

膣カンジダの主な症状とは?

膣カンジダの症状は、デリケートゾーンに関わる不快感が中心です。主な症状は以下の通りです。

  • 強いかゆみ(特に外陰部)
  • おりものが白くポロポロしている(カッテージチーズ状)
  • 排尿時や性交時の痛み
  • 外陰部の赤みや腫れ

かゆみやおりものの変化などは、更年期に多い膣の乾燥や萎縮性膣炎とも似ており、自己判断が難しい場合があります。間違った自己診断や市販薬の使用は、症状を長引かせる原因になることもあるため、気になる症状がある場合は婦人科を受診することが大切です。

具体的な原因とリスク要因

膣カンジダは、免疫力が低下したときに発症しやすいとされています。更年期において以下のような要因が重なることで、カンジダ菌が活性化しやすくなります。

1. 免疫力の低下

更年期はホルモンの変化に加え、ストレスや睡眠の質の低下、自律神経の乱れなどが重なり、免疫力が下がりがちです。免疫力が落ちることで、普段は抑えられているカンジダ菌の繁殖を許してしまいます。

2. 膣内のpHバランスの変化

膣は通常、乳酸菌によって弱酸性に保たれています。しかし、更年期によりエストロゲンが減少すると乳酸菌が減り、膣内のpHがアルカリ性に傾きます。この変化も、カンジダ菌の増殖を助ける要因です。

3. 抗生物質やステロイドの使用

抗生物質を使うと、善玉菌である乳酸菌まで殺してしまうため、膣内のバランスが崩れやすくなります。また、ステロイド薬や免疫抑制剤を使用している方は、免疫の働きが抑えられ、カンジダが繁殖しやすくなります。

4. 生活習慣・衣類の影響

締め付けの強い下着や通気性の悪い服装、ナイロン素材のパンティライナーなどは、デリケートゾーンの蒸れを引き起こし、カンジダ菌の温床になりやすい環境を作ります。また、過度な洗浄や香料入りソープの使用も、膣内環境を乱す原因になります。

正しい対処法と治療方法

婦人科での診断と治療が基本

膣カンジダが疑われる場合、自己判断せずにまず婦人科を受診しましょう。膣分泌物の顕微鏡検査や培養検査で、カンジダ菌の有無を確認することができます。

治療は主に以下の2つです。

  • 膣錠:膣内に直接挿入して、カンジダ菌を退治する薬。数日間使用するタイプが一般的です。
  • 抗真菌薬の内服:再発を繰り返す場合や、症状が重い場合には、飲み薬が処方されることもあります。

市販薬を使うときの注意点

市販のカンジダ治療薬もありますが、自己判断での使用はおすすめできません。実際はカンジダではなかった、あるいは別の疾患だったというケースもあり、症状を悪化させる可能性もあるためです。

再発を防ぐ日常ケアと予防策

膣カンジダは一度治っても、再発しやすいのが特徴です。更年期の体と上手に付き合うためには、日常生活でのセルフケアも重要です。

デリケートゾーンのケア

  • 専用の弱酸性ソープを使用する
    普通のボディソープはアルカリ性で膣内のpHバランスを崩す原因になるため、膣周辺の洗浄には専用のフェムケア製品を使うのがおすすめです。
  • 洗いすぎに注意
    汚れを落とそうと強くこすったり、膣内を洗浄することは逆効果です。必要な常在菌まで洗い流してしまい、かえって菌のバランスを乱してしまいます。

デリケートゾーン専用CBDオイルという選択肢も

近年注目されているケアアイテムのひとつに、「CBD(カンナビジオール)配合のデリケートゾーン専用オイル」があります。CBDには保湿効果や肌荒れを防ぐ働きがあるとされており、乾燥によるかゆみや不快感をやわらげたいときのケアに取り入れる方が増えています。

また、CBDには抗菌や抗炎症の可能性があるとも言われており、膣まわりのバリア機能をサポートする選択肢としても注目されています。使用する際は、必ずデリケートゾーン用として設計された製品を選び、成分表示や使用方法を確認することが大切です

衣類と通気性の工夫

  • コットン素材の通気性の良い下着を選び、ナイロンや締め付けが強い衣類は避けましょう。
  • ナプキンやおりものシートは長時間の使用を避け、こまめに取り替えることも大切です。

生活習慣の改善

  • バランスのとれた食事
    発酵食品や食物繊維を積極的に摂ることで、腸内環境を整え、免疫力アップに繋がります。
  • 十分な睡眠とストレス管理
    自律神経のバランスを整えることが、免疫機能の維持につながります。

更年期の体と丁寧に向き合うことが、健やかさへの第一歩

膣カンジダは決して珍しい病気ではなく、特に更年期の女性にとっては「誰でもなりうるもの」です。「またかゆくなったらどうしよう」と不安になる気持ちもよくわかりますが、正しい知識を持つことで、過度に心配する必要はありません。

大切なのは、「今の自分の体に合ったケア」をしてあげること。更年期という大きな節目にこそ、自分自身を大切にし、丁寧にケアする習慣を持つことが、心も体も健やかに保つ鍵となります。

私たち「fuwari」では、そんな女性たちの暮らしに寄り添い、正しくやさしい情報をお届けし続けます。これからも一緒に、自分らしい健やかさを育んでいきましょうね。