体の乾燥と更年期の関係とは?お風呂の入り方から見直す乾燥対策

2026.01.09

更年期に差しかかると急に気になりはじめる体の乾燥。その原因には、女性ホルモン「エストロゲン」の減少や自律神経の乱れが関係しています。本記事では、乾燥のメカニズムをわかりやすく解説しながら、見直すべきお風呂の入り方や洗い方、保湿ケア、内側からの乾燥対策までを丁寧にご紹介。デリケートゾーンの乾燥や肌のかゆみでお悩みの女性に向けて、今日からできる実践的なセルフケア習慣をお届けします。正しい知識とやさしいケアで、うるおいのある毎日へ。

はじめに

40代後半から60代にかけて、「最近、肌がカサカサする」「保湿してもすぐ乾いてしまう」といった悩みを感じていませんか?年齢とともに肌の乾燥が進むのは自然なことですが、実は更年期特有のホルモンバランスの変化が大きく関わっている可能性があります。
特にお風呂は、肌の乾燥と深く関係しているにもかかわらず、あまり見直されにくい習慣のひとつです。

この記事では、更年期と体の乾燥の関係を医学的に解説したうえで、お風呂の入り方からはじめる乾燥対策をご紹介します。日々の習慣を少し変えるだけで、肌のうるおいがぐんと変わってくるかもしれません。ご自分の体と心に、そっとやさしく寄り添うヒントになれば幸いです。

更年期に体が乾燥しやすくなるのはなぜ?

女性ホルモン「エストロゲン」の減少がカギ

更年期は、閉経をはさんだ約10年間のことを指し、一般的には45歳〜55歳頃の女性が該当します。この時期に体のなかで起こる最大の変化は、女性ホルモン「エストロゲン」の急激な減少です。

エストロゲンは、肌の水分保持やハリを保つために欠かせないホルモン。コラーゲンやヒアルロン酸、皮脂の分泌を助ける作用もあり、肌のうるおいと弾力を守る“美容ホルモン”とも呼ばれます。

このホルモンが減少することで、以下のような変化が起きやすくなります:

  • 角質層の水分保持力が低下
  • 肌のターンオーバーが乱れ、バリア機能が低下
  • 皮脂量が減少し、乾燥しやすくなる

また、粘膜のうるおいも減るため、デリケートゾーンの乾燥や不快感につながることもあります。乾燥にともない、肌のかゆみやチクチクした不快感が増え、「肌が敏感になった」と感じる方も多いようです。

自律神経の乱れも乾燥を招く

更年期には、自律神経のバランスが乱れがちになります。ホットフラッシュや不眠などの更年期症状と同様に、汗のかき方や皮脂の分泌にも影響が出やすくなり、乾燥を助長する要因となるのです。
とくに冬場やエアコンの効いた室内では、気づかないうちに体内の水分が奪われてしまい、乾燥症状が強く出ることがあります。

入浴習慣が乾燥を悪化させているかも?

気持ちいいけれど「熱すぎるお湯」は要注意

「寒いから熱めのお湯でしっかり温まりたい」という気持ちは自然なものですが、実は42℃以上の熱いお湯は肌に必要な皮脂や天然保湿因子を奪ってしまうため、乾燥肌には大敵です。

さらに、高温のお湯は交感神経を刺激し、入浴後に肌の血流が一気に下がってしまうため、肌の保湿成分が体外へ逃げやすい状態になります。

短時間でさっと済ませるシャワー派の方も多いですが、シャワーだけでは体の芯から温まらず、血行不良や冷えによって乾燥が進むことも。肌の状態が気になるときこそ、ぬるめのお湯にじっくり浸かる「湯船習慣」がおすすめです。

「洗いすぎ」はバリア機能を壊す

清潔を保つことはもちろん大切ですが、ナイロンタオルで毎日ゴシゴシと洗うような入浴習慣は、肌に必要な油分まで落としてしまい、肌のバリア機能を壊してしまいます。

とくに乾燥が強い季節は、「洗う」というよりも「汚れをやさしく落とす」という意識を持つことが大切です。デリケートゾーンや関節周りなど、皮膚の薄い部分はとくに丁寧に。

お風呂の入り方から見直す乾燥対策

理想的な入浴温度と時間

乾燥を防ぐための理想的な入浴スタイルは以下の通りです:

  • 温度:38〜40℃
  • 入浴時間:10〜15分程度

ぬるめのお湯に浸かることで、肌の皮脂膜を守りつつ、全身の血行を促進することができます。副交感神経が優位になり、リラックス効果や睡眠の質向上にもつながります。

もし時間がないときは、足湯や半身浴だけでもOK。無理のない範囲で「お湯に浸かる」ことを習慣にすることが、乾燥肌の予防につながります。

洗い方の見直しポイント

洗う頻度と部位を調整する

肌が乾燥しやすい時期には、毎日全身を石けんで洗う必要はありません。汗をかきやすい部分やデリケートゾーン、足の裏などを中心に洗い、他の部分は泡をさっとなでる程度で十分です。

洗いすぎると肌の常在菌バランスも乱れてしまうため、「落としすぎない洗い方」を意識することが、結果的に肌を守ることになります。

やさしい洗浄アイテムを選ぶ

  • 素材のやわらかいタオルや手で洗う
  • アミノ酸系や弱酸性のボディソープ
  • 香料・着色料・アルコール不使用の低刺激処方

とくに更年期以降は、肌が敏感になりやすいため、洗浄力よりも「やさしさ重視」で選ぶことがポイントです。

入浴後10分以内の「保湿」が勝負!

保湿タイミングがカギ

お風呂から上がったあとの肌は、一見しっとりしているようでも、急速に水分が蒸発しています。そのままにしておくと、むしろ乾燥が進むことも。

理想的には、タオルドライ後10分以内に保湿ケアを行うのがベスト。
化粧水→乳液→クリームというように、水分と油分をバランスよく補うのがうるおいを保つポイントです。

デリケートゾーンの保湿も忘れずに

顔や体と同じように、デリケートゾーンも保湿が必要な部位です。
とくに更年期以降は粘膜が乾きやすく、かゆみやヒリつき、不快感を感じやすくなるため、専用の保湿ジェルやクリームでケアすることが大切です。

内側からの乾燥対策も大切に

水分は「こまめに」「温かく」

体の乾燥対策は、スキンケアだけでは不十分。体の内側から潤すことも非常に大切です。

水分補給は、のどが渇いてからでは遅く、こまめに、1日1.5〜2リットルを目安に摂るのが理想的。冷たい水よりも、常温や白湯がおすすめです。

食事で肌のうるおい力を育てる

乾燥肌対策に有効な栄養素は以下の通りです:

  • ビタミンA(肌の新陳代謝促進):人参・レバー・かぼちゃ
  • ビタミンC(コラーゲン生成):ブロッコリー・いちご・柿
  • ビタミンE(血行促進・抗酸化):アーモンド・アボカド・ごま
  • オメガ3脂肪酸(炎症を抑える):青魚・えごま油・亜麻仁油
  • たんぱく質(肌の材料):豆腐・納豆・鶏むね肉・卵

毎日の食事の中で、意識してこれらの食材を取り入れることも、乾燥対策につながります。

まとめ|「うるおい」は日々のやさしい習慣から

更年期に起きる体の乾燥は、加齢による自然な変化とはいえ、不快な症状を我慢し続ける必要はありません。
お風呂の入り方や保湿のタイミングなど、毎日のちょっとした見直しが、肌のうるおいを取り戻す第一歩になります。

また、お風呂は単に体を洗うだけでなく、「自分を大切にするための時間」でもあります。心と体の声に耳を傾けながら、“やさしく、丁寧に”を合言葉に、日々のセルフケアを楽しんでみてくださいね。

※本記事は一般的な健康情報の提供を目的としており、治療や診断を代替するものではありません。肌トラブルや更年期症状がつらい場合は、早めに専門医へご相談ください。