骨粗鬆症・肌の乾燥・イライラ…それ、栄養不足が原因かもしれません〜50代からの「ビタミン」と「ミネラル」の役割〜

2025.11.21

50代から気になり始める「骨粗鬆症」「肌の乾燥」「イライラ」などの不調は、更年期や加齢だけでなく、実はビタミン・ミネラル不足が関係しているかもしれません。アンチエイジング専門医・青木晃先生が、特に不足しやすい栄養素や、日々の食事での工夫、サプリメントの上手な取り入れ方をやさしく解説。更年期世代が不調をあきらめず、自分らしく健やかに過ごすための“栄養の土台づくり”を見直してみませんか?

はじめに

「最近、骨密度が下がってきたと言われた」「肌の乾燥が気になる」「なぜかイライラしやすい」──。そんな心身の不調に悩まされていませんか?実はそれ、加齢だけのせいではなく、体内の“栄養不足”がサインとして現れているのかもしれません。

fuwariでは11月14日(イイトシ)の「アンチエイジングの日」をきっかけに、日本美容内科学会理事長・青木晃先生に、50代女性の体に起こる変化の仕組みと、体の内側から整える「インナーケア」の大切さについて教えていただきました。

🎥 ウェビナーでの詳しい内容は、こちらの動画でご覧いただけます

50代から増える不調、その原因は「栄養不足」かも?

年齢を重ねるにつれ、「なんとなく調子が悪い」「昔より回復が遅い」と感じることはありませんか?とくに女性は50代を迎えるころ、更年期の影響でホルモンバランスが大きく変化し、さまざまな不調が現れやすくなります。

骨粗鬆症の進行、肌の乾燥、感情の不安定さやイライラ…。これらの症状は「年のせいだから」と見過ごされがちですが、青木先生はこう語ります。

「実は、こうした不調の背景には“栄養の不足”が関係していることが少なくありません。体の土台であるビタミンやミネラルが足りなくなることで、骨や肌、そして心の状態にも影響が出てくるんです。」

つまり、こうした体の変化は“老化現象”ではなく、“体が何か足りないと教えてくれているサイン”である可能性があるのです。

不足しやすい栄養素は?50代女性に必要な「ビタミン」と「ミネラル」

では、具体的にどの栄養素が不足しやすいのでしょうか。青木先生は以下の4つを挙げています。

ビタミンDとカルシウム

骨を健康に保つうえで欠かせない栄養素です。骨は鉄筋コンクリートの建物のようなもので、カルシウムやビタミンDは“骨の柱”のような役割を担っています。加齢とともに吸収効率が下がり、骨密度も減少してしまうため、骨粗鬆症のリスクが高まります。

マグネシウム

マグネシウムは、神経や筋肉の働きを助ける“電気配線”のような存在。睡眠の質やストレス耐性にも関係し、不足するとイライラ感や緊張、不眠などが起きやすくなります。

とくに女性に不足しやすい栄養素です。鉄は血液中のヘモグロビンを構成し、全身に酸素を運ぶ役割があります。不足すると、疲れやすい、集中できない、顔色が悪くなるといった症状が現れることも。

食事だけで補うのは難しい?現実的な“栄養摂取”のハードル

理想を言えば、毎日の食事からこれらの栄養素をバランスよく摂取するのが一番です。しかし、現実には難しい面も。

青木先生によると、たとえばビタミンDを十分に摂ろうとすると、毎日鮭の切り身1切れ以上が必要。マグネシウムは海藻やナッツ類に多く含まれていますが、毎日となると相当な量を摂る必要があります。

「まるで毎日フルコースを用意するようなもの。それを続けるのは、多くの方にとって現実的ではありません。」

忙しく働く女性たちにとって、栄養バランスを完璧に整えた食事を毎日用意するのは、ハードルが高すぎるのが実情です。

足りない分はどう補う?「土台づくり」としてのマルチビタミン&ミネラル

では、どうすれば体に必要な栄養素を無理なく補えるのでしょうか?

青木先生がまず勧めるのは、「食生活の見直し」。とくにおすすめなのが、和食に多く取り入れられている“まごわやさしいな”というキーワード。

  • :豆類
  • :ごまやナッツ類
  • :わかめなどの海藻
  • :野菜
  • :魚
  • :しいたけなどのきのこ類
  • :いも類
  • :納豆や乳製品

これらの食材を意識的に摂ることで、自然とビタミンやミネラルを補いやすくなります。

さらにもう一歩踏み込んだサポートとして活用したいのが、マルチビタミン&ミネラルのサプリメントです。

サプリメントは“ツリーの幹と根”

青木先生は「サプリメントツリー」という考え方を紹介しています。

「健康という木を育てるとき、幹や根にあたるのがマルチビタミン&ミネラルです。ここがしっかりしていなければ、どんな枝葉(目的別のサプリ)を加えても効果が十分に出ません。」

マルチビタミン&ミネラルは、いわば体の土台を支える存在。美肌や疲労回復、免疫強化など、特定の目的を持ったサプリメントを活かすためにも、まずはこの“土台”を整えることが欠かせません。

「有効量」が入っているかをチェック

もうひとつ大切なのが、「配合量の確認」です。サプリメントの中には、ほんの少量しか有効成分が入っていないものもあります。

「ただ“含まれている”だけでは意味がありません。ラベルを見て、有効量がしっかり入っているものを選んでください。」

サプリメントを選ぶ際は、価格や見た目だけでなく、栄養素の含有量とバランスをしっかりチェックする習慣を身につけましょう。

まとめ:年齢のせいとあきらめる前に、「栄養」という土台を整えて

更年期以降の体調の変化は、決して「年だから仕方がない」とあきらめる必要はありません。不調の背景には、気づかないうちに進んでいる“栄養の不足”が潜んでいることもあります。

50代からは、これまで以上に「体を支える栄養素」に意識を向けていくことが大切です。

  • 食事は“まごわやさしいな”を意識して。
  • 補助として、マルチビタミン&ミネラルを上手に取り入れて。
  • 「土台」を整えることで、他のケアの効果も高まりやすくなります。

体の声に耳を傾け、「足りないものを補う」ことから始めてみませんか?未来の自分のために、今日からできる小さな一歩を大切にしましょう。

次回のコラムでは、「腸内環境と乳酸菌」について詳しくご紹介します。どうぞお楽しみに。